工学院大学×チームラボアーキテクツ コンペティションを実施
ISDC(Industry-Student Direct Collaboration)プログラムの一環として、「工学院大学×チームラボアーキテクツコンペティション」を実施しました。2019年度に続き3回目の開催となる今回のコンペティションには、建築学部1年生から大学院修士課程建築学専攻の学生まで、計16名が参加しました。
コンペティションのテーマは「死を迎えるための空間」。学生それぞれが、体験したことのない死ぬ瞬間について想像力を働かせ、テーマに合う空間デザインを提案しました。デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、常に新たな建築や空間のありようを模索し続けるチームラボアーキテクツだからこその挑戦的なテーマです。
学生たちは、10月26日にチームラボアーキテクツが手掛けるデジタルアートミュージアムの一つである「チームラボプラネッツ TOKYO DMM(東京都江東区豊洲)」を見学し、五感すべてを使い身体ごと没入するような空間に、コンペティションに向けて大きな刺激を受けました。
11月4日には中間発表会が行われました。参加学生が写真を用意し、現時点で考える「死を迎えるための空間」への着想を発表しました。抽象的な風景から鳥居など死後の世界を連想させる物の写真まで、十人十色のイメージが語られました。また、チームラボ、チームラボアーキテクツの独自の手法で「アイディアは他人とシェアするもので、シェアしたアイディアから発展させていく」=「共創」という考え方を元に、それぞれの発表にチームラボや参加学生がコメントし、最終発表会までに他者から刺激を受け視野を広げる機会になりました。
12月7日には最終発表会が行われ、中間発表から約1ヵ月かけて準備した「死を迎えるための空間」の空間デザインをA2サイズのポスター1枚にまとめあげ、学生たち1人1人がプレゼンテーションしました。自己と向き合う場やら他者と最後の時間を共有する場、死後の世界を強く意識した場など、学生の豊かな発想やポスターの完成度に審査員であるチームラボアーキテクツ、チームラボの方々も驚かれていました。また、最前線で活躍するプロとしての専門的な視点と教育的観点の両方から参加学生一人一人に鋭い指摘やコメントをいただき、参加した全ての学生にとって学びの多い機会となりました。
最後に、チームラボアーキテクツの河田代表より「前例がない事であっても物事を面白く捉え、自分自身で創り出したストーリーを伝えるという事を今回の経験を通して学び、ぜひこの経験を今後の研究や制作活動に活かして欲しい」とのメッセージをいただきました。
受賞コメント
最優秀賞 山下夏鈴さん(建築学専攻修士1年)
今回は最優秀賞をいただき、驚きと共に大変嬉しく思います。
抽象的なテーマだったのでいつも以上にアウトプットが難しかったですが、時間の経過と気持ちを併せて考えた点が評価していただけたと思います。
また今回のテーマを通じて普段関わりの少ない他学年の発表を聞いたり、様々な考えや価値観に触れたことで良い刺激をもらいました。ありがとうございました。
優秀賞 青木亜里紗さん(建築学部2年)
優秀賞に選んでいただきありがとうございます。提案をするにあたって自分や身近な人が使う状況を具体的に想像し、死や人生についてじっくり考える貴重な機会となりました。 個人や多様性の尊重と、「誰にとっても」という普遍性のバランスについて考える課題でもあったと思います。これについては、今後何を設計したりデザインしたりするうえでも意識していきたいと思います。
工学院大学×チームラボアーキテクツ コンペティション
本学建築学部とチームラボアーキテクツとのコラボ企画で、「ISDCプログラム」の一環として実施されています。出題されるテーマに沿ったアイディアを競うコンペティションで、学年や知識量に関わらず参加者同士がアイディアをシェアし「共創」することで、新たな建築や空間の在り方を模索します。
チームラボアーキテクツ(teamLab★Architects)
デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団。
ISDCプログラム
学生と企業が「直接的(ダイレクト)」に「連携する(つなぐ)」、これまでにないコラボレーションプログラムです。学生は企業の課題に自らの研究でチャレンジし、評価を受けます。